第3章 その判断は自分自身で(1)

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どうやら俺はアークスとしては比較的稀な部類に入るようだ。
今回依頼を受けた気候調査だが、アークスの多くは興味がないそうで、
そんな中興味を持った俺に対して、学者さんが先のような話をしていた。

戦闘職でも多少の教養は持っておかなくては、と思う。
どんなパーティーになっても知識や教養が足りずに苦労するわけにはいかず、
またそういうことに長けている人物がいれば、それを補えるようにしたい。

そんな考えを学者はいざ知らず、事の詳細を説明しだす。
この異常気象について疑問に思っていたことと同じ内容だったので、
やはり現地に行かなくては疑問は解決できそうにない。

ここで問題になるのは、やはり雪山…どうやら凍土と呼ばれる地域への立ち入りである。
学者に立ち入り可能な地域と、そうでない地域について話す。わかりました、と学者。
依頼を受けるのは自由だが、自分の状況によってできないという判断を下すのは、
申し訳なさもあり、不甲斐ない気持ちになってしまう。

時間はありますから、と続ける学者に対して俺は一つ決心する。
少し時間をくれ、すぐに立ち入り許可を得られるようにする。

……。

立ち入りが禁じられているのは、未熟であるために危険が伴うからということであり、
ある一定の評価が得られれば探索へ向かっても問題ないと判断される。
今までは無難な依頼で少しずつ評価を得るようにしていたが、
このままでは満足に、いや職業として成り立たなくなってしまう危機感を持った。

以前までは前者、今回は後者で評価を得ようとしている。
つまり大きな戦果を挙げようとしているのだ。
指定された課題は、森林の主を倒すこと。

その主と戦ったことのある者によれば、かなりのパワータイプらしい。
移動もそれほど速いわけではなく、一定の距離を置けば、比較的安全に倒せるそうだ。
大きな成果と言っても、修了任務のある地域…やはりまだ無難な方か。

森林の奥地まで単身進む。
そこに待ち受けていたのは、聞いた話とはまったく異なる敵だった。

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